若草物語と生徒さんからお手紙
新型コロナウイルスの影響で外出自粛の中、自宅で映画を観るのが楽しみでした。
その中でも「若草物語」は、感動と涙でいっぱいでした。
ジューンアリスンやエリザベステイラーなど出演した4人姉妹のお話ですが
なんと、60数年前に映画館でも観ていたのです。
その当時私は中学1年生で、まだ青春の入り口にあり
覚えているのは、黄金色に染まった景色の中で
ジョー役のジューンアリスンが一冊の本を片手に木にもたれているシーンでした。
詩や音楽に自分の夢を託していたその頃の私にとって
そのシーンは一生心に残ることになったのです。
そして60年後、再び出会えたそのシーンは
年老いた今の私にとって眠っていたあの頃の私を思い出させてくれました。
そうだ、私があれから歩いてきた道は間違っていない。
一生懸命、真の自分に会いたくてきた道ですもの、
コロナに負けず、今までと同じように家族や仲間たちと向き合っていこう。
それから数日、
刺繍教室の生徒さんから、一通の手紙が届きました。
"私はこの度、刺繍に出会えていたことに本当に感謝しています。
外に出られず、人と話せないこんな日々でも
楽しく向き合えて美しい色の作品が出来上がっていくことを
時間たっぷりの中で味わえる、幸せな日々です”
そして彼女は、布と図案参考を同封し
「小さな世界で、優しくそして力強く咲く野の花」
を糸で表現したい、と希望が書いてありました。
3・4・5月と新型コロナウイルスは、私たちを大きな不安の世界に
巻き込みました。
でも自然界は、春の訪れとともに、雑草や色とりどりの美しい花まで
いつもの命のたくましさを私たちに教えてくれています。
どんな日常であっても、創作への思いを見いだせることは素晴らしいことです。
6月からアトリエの教室や地方の教室が再開されます。
コロナと付き合いながら、刺繍の仲間たちが創作に向き合うことができるように
おひとりおひとりのお手伝いができるよう、アトリエスタッフとともに
がんばろうと思います。
先日76歳の誕生日を迎えました。
ソーシャルディスタンスが必要な日常であっても、仲間たちとの心をつなぐ糸は
強く深く結び合っています。
このような人生に恵まれて、感謝の気持ちを、60年前に若草物語を観た少女に伝えました。
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