ニューヨーク 番外編
街はクリスマスや年末のイルミネーションでキラキラ星のように輝いています。
思えば1ヵ月前のニューヨークでのイルミネーションも綺麗でした。あるデパートのショーウィンドーの装飾は抜群で、世界中のウィンドーデザイナーが見に来るほど有名だそうです。
私がニューヨークへ行きたいと思ったきっかけはMさんの言葉でした。
「私が素晴らしいと思うのはふたつあります。ひとつはニューヨークのファッションセンス。もうひとつは繊細な表現の日本刺繍です」。私ははじめ意味が分かりませんでした。
彼女はウィンドーデザイナーとして都内有名デパートの仕事をしていましたが、病に倒れ闘病生活に専念するため仕事を諦めました。
そして創作の全てを日本刺繍の世界にぶつけたい、と私のアトリエにみえました。それから10年の間、私たちはデザイン・技法・色彩のバランスについてディスカッションしたのです。
しかし残念なことに、昨年の秋、彼女は素晴らしい作品を残してこの世を去ってしまいました。
彼女の友人の話ですが、「Mさんは毎年ニューヨークへウィンドーデザイナーとしての刺激を受けに出かけていました」。そういえば、彼女の作品は装飾美として完成されていました。
しかし、彼女が最後に旅をしたのはニューヨークではなくアフリカのケニアでした。そのきっかけになったのは息子の写真展でした。彼女は、大自然の中に身を置くことによって自然体であることを受け入れたのでしょう。
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