エジンバラから思うこと
エジンバラから帰って、今度は福岡で“雪月花展”があるため、1週間、作品のための講演などしてきます。
一針への思いが何年間とかかった作品となり、多くの方々から共感を得られ、私は一人ぼっちでなく、家族から刺繍の仲間、そして全国へ広がり、そしてこの度の英国の方々とも、気持ちを分かち合いました。
スコットランド芸術協会の会員の皆様に講演した内容を一部紹介します。
『 3月に日本の東北地方で大きな地震と津波がありました。
私は自然の中で生きることの厳しさを目の当たりにして、希望を失いました。
しかし、負けてはいけない、自分自身に…と勇気をもって立ち上がり、
大昔から続いてきた歴史を、日本人として誇りをもって前に進み、
未来の子供たちに、この歴史を渡さなければいけないと思いました。
日本は、太古の昔から繰り返される自然災害の中で、たくましく歴史を
つくってこれたのは、自然への恐れと感謝を併せ持った心があるからでしょう。
海に囲まれた島で、自然の恵みの宝庫であり、四季の時の流れは
感性豊かな国民性を育んできました。風や雨の中で小さな花を咲かせる
野の花や小さな石ころにまで神が宿り、命の尊さを感じるのです。
そんな中でひとりひとりが互いに助け合い、小さな幸せでも分かち合ってきた
日本の和の心によって、今日の私たちが存在していると思います。』
そして、私の作品を見てくださった方々より、シンプルな美しさの中で精神性を深く感じられるとの評価を頂きました。
仏像やお経を作品にしなくても、自然を描くことで祈りを感じてもらえたこと、私にとって大変嬉しく思いました。
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